伊豆の縁めぐり 其の一
頼朝と政子が、
出会った山の社。
熱海・伊豆山神社
反対されている恋をしたことは、ありますか。
まわりに言えない。
家族にも、たぶん分かってもらえない。
それでも、その人のことを考えてしまう。
今日は、そういう恋の話をひとつ。
舞台は、熱海の山の上にある、古い社です。
流人の男と、豪族の娘
平安時代の終わり、源頼朝は、罪人として伊豆に流されていました。
都から遠く離れた、海と山しかない土地です。
その頼朝と恋に落ちたのが、伊豆の豪族の娘、北条政子でした。
流されてきた男と、地元の名家の娘。
まわりから見れば、うまくいくはずのない組み合わせです。
政子の父は、この恋に反対したと伝わっています。
人目をしのんで会った、山の上
二人が会っていたと伝わるのが、この伊豆山神社です。
昔は「走湯権現(そうとうごんげん)」と呼ばれていました。
山の中から湧き出して、海へ走るように流れ落ちる湯、「走り湯」を神さまとしてまつったのが始まりです。
流人だった頼朝は、ここで源氏の再起を祈りました。
そして、政子と会っていたと伝わっています。
境内には今も、二人が腰をかけたといわれる「腰掛石」が残っています。
この話から、伊豆山神社は、縁結びの社として知られるようになりました。
うまくいくはずのない縁が、残った
このあと頼朝は、鎌倉に幕府を開きます。
政子は、その妻として生きました。
反対された恋が、八百年以上たった今も、縁結びの話として語りつがれています。
まわりが反対したことと、
その縁がまちがっていたことは、
同じではありません。
もし今、あなたが誰にも言えない恋をしているなら。
反対されているからといって、
あなたの気持ちが、まちがっているわけではありません。
続けるのか、手放すのか。
どちらを選んでも、決めるのはあなたです。
急いで答えを出さなくて、大丈夫ですよ。
言葉にならない迷いを、
そのまま送ってください。
※伝承や由来は、伊豆山神社にまつわる言い伝えをもとにしています。朝霧は、伊豆山神社の関係者ではありません。
※写真は Wikimedia Commons より、各ライセンスに従って使用しています(朝霧が撮影したものではありません)。 社殿:663highland/CC BY-SA 4.0・ 参道・境内の社:Naokijp/CC BY-SA 4.0